『Fattoria AL FIORE/ファットリア・アル・フィオーレ』は、宮城県川崎町で2015年からワインを造っているワイナリー。『Fattoria』とはイタリア語で農場を意味し、『AL FIORE』とは代表である目黒浩敬氏が2002年に仙台市内に開いたイタリアンレストランに由来しています。『AL FIORE(=一輪の花)』という言葉には、"みなさんを魅了する一輪の花が、やがて種をこぼし、お花畑のように多くの人々の幸せへと広がるように"という願いが込められております。
アル・フィオーレのワイン造りでは、ブドウについている野生酵母のみで発酵を行い、醸造中に一切の添加物を加えません。潰したブドウの果汁に含まれる糖分を栄養として、果皮などについている酵母が働き、果汁をアルコールに変えてワインになっていくのです。"ワインを醸造する"というよりは、"酵母が働きやすいように手助けをする"というニュアンスに近いかもしれません。常にワインの状態をよく見て、わずかなメッセージを逃さないように耳を傾けています。理想のワインを造るというわけではなく、その年に自分たちで収穫したブドウを見て、味わってから、どのようなワインにしていくかを決めているのです。
レストランから始まったアル・フィオーレの活動は、現在、ワイン造りを通して仲間たちの活動を応援できる存在でありたいと考えております。2014年に最初の畑を開墾した川崎町安達の周辺は、耕作放棄と過疎化が進んでいました。ワインを通して繋がった人たちと共に集い、造りだし、喜びを分かちあう状況をつくることが"地域に根付く"ということだと話しております。アル・フィオーレさんが造るワインには、地域や仲間との繋がりを大切にした、関わった人たちの思いも込められています。
ワインは世界中に存在しますが、同じものは一つとしてありません。ブドウの品種や育てられた地域が一緒でも、色や香り、味わいに違いが出ます。なぜ、そんなにもたくさんの違いが出るのでしょうか? それは"人がワイン造る"から。アル・フィオーレさんのワインを飲むと、強くそのことを感じます。「ワインは人が造るものではない」という考えももちろんありますが、「人が手助けしないとワインはできない」ということも事実です。人が手助けして造られるからこそ、ブドウを育てた人の思いや仕込む人の思いが反映され、違いが生まれます。ぜひ多くの方に飲んで、思いを感じていただきたいです。